イスラエル首相、宿敵イランに地震被災者の支援を申し出る
発信地:エルサレム/中東・アフリカ
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中東・北アフリカ
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【11月15日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は14日、敵対関係にあるイランが数日前にマグニチュード(M)7.3の強い地震に見舞われたことから、両国間に存在する敵意は人道的な同情を妨げるものではないとして、被災者支援を申し出たことを明らかにした。
ネタニヤフ首相は北米ユダヤ人連盟(Jewish Federations of North America)の会合で行ったビデオ演説の中で 「今回のイラクとイランの被災者に対する支援を赤十字の医療支援部門に申し出るよう、数時間前に指示した。われわれはイラン国民と敵対しているわけではないと私は繰り返し述べてきた。われわれが対立しているのは彼らを人質に取り、わが国を破壊すると脅す非道な政権だけだ。だが、彼らの憎悪よりもわれわれの人間性のほうが大きい」などと述べた。
しかし、この申し出はおおむねうわべだけのものとみられている。イスラエルの報道によると、イスラエルを国家として承認していないイランは赤十字国際委員会(International Committee of the Red Cross)を通じて即座にネタニヤフ首相の申し出を拒否した。
12日夜にイランとイラク国境地帯で発生した地震では死者が400人を超え、イランでは数万人が家を失い、人々は対応が遅いと1979年のイラン革命後に政府が創設した慈善団体への怒りを募らせている。(c)AFP