【11月15日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)のロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)に今季入団したロンゾ・ボール(Lonzo Ball)の弟リアンジェロ(LiAngelo Ball)ら、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のバスケットボール部員3人が中国で万引きをはたらいた疑いで逮捕された事件は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の口利きもあり、3人の帰国が実現した。

 ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)紙によると、同大学1年生のリアンジェロ、コーディー・ライリー(Cody Riley)、ジャレン・ヒル(Jalen Hill)の3人は、上海発のフライトでロサンゼルスに到着し、待ち受ける報道陣を避けるため別の出口から空港を出た。

 UCLAが加盟するパシフィック12カンファレンスのコミッショナーも、1週間前に身柄を拘束されていた3人が杭州(Hangzhou)を離れることを許可され、飛行機に乗ったと声明で発表。コミッショナーは「問題は中国当局の満足のいく形で解決した。若者たちが家族の元と大学へ帰ることを許されて非常にうれしい。中国でわれわれを迎えてくれた方々の役割、地元当局の好意と働きぶりにも感謝したい」とコメントした。

 さらにコミッショナーは、事件の解決を助けたトランプ大統領とホワイトハウス(White House)、米国務省にも謝意を伝えた。トランプ大統領は先日、北京を2日間訪問した際、習近平(Xi Jinping)国家主席へ個人的に介入を要請したと明かし、「彼らのやったことは残念だが、今は拘束期間が長すぎるという話をしている。向こうも遊びでやっているわけではないのはわかるが」と話していた。

 リアンジェロ、ライリー、ヒルの3人は、上海で行われたジョージア工科大学研究所(Georgia Tech Research Institute)との試合の前に逮捕された。米スポーツ専門チャンネルESPNによると、3人は高級ブランド「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」の店舗で盗みをはたらいた疑いで逮捕され、後に保釈されたが杭州にとどまるよう命じられたという。中国では、商品の価値によっては窃盗でも投獄される場合がある。

 両チームは、中国のネットショッピング大手アリババ(Alibaba、阿里巴巴)の本社を訪問するため、杭州を訪れていた。UCLAは、男子の全米チャンピオンに11回輝いているカレッジバスケットボール有数の名門で、逮捕後に行われたジョージア工科大との試合では、3人が不在の中で勝利を収めた。3人以外の部員は試合後に帰国している。

 トランプ大統領の中国訪問と偶然重なったことも含め、この件は米国でこのところ知名度を高めているラバー・ボール(LaVar Ball)氏の3人の息子の一人がかかわっていたため、国内で注目を集めている。ボール氏は、息子たちを将来のNBAのスターとして売り込むことでメディアの寵児(ちょうじ)になっていて、こちらも自身が経営する「ビッグ・ボーラー・ブランド(Big Baller Brand)」のシューズとアパレルのラインアップをPRするため、中国を訪れていた。(c)AFP