【11月15日 AFP】さまざまな種類のナッツを日常的に食べている人は、そうでない人より心臓病リスクが低下する可能性があるとする研究論文が今週発表された。同種の研究としては最大規模だという。

 13日の米国心臓病学会誌「Journal of the American College of Cardiology」に掲載された論文によると、クルミ、ピーナツ、その他の木の実類28グラムを1回分として、それを週に5回食べることは、心臓病リスクの14%低下と、動脈硬化による致死性合併症のリスクの20%低下に関連があるという。

 32年にわたる看護師健康調査の一環として実施された定期的なアンケートの回答に基づく今回の研究では、クルミが最も健康的な選択肢と考えられるとの結果が示された。研究では21万人分以上の回答が対象となった。

「個人のナッツ摂取量を調査した結果、クルミを週に1回以上食べることは、心臓病リスクの19%低下と冠状動脈性心臓病リスクの21%低下に関連していた」と論文は述べている。

 ピーナツを週に2回以上食べる人は、全く食べない人より心臓病リスクが13%低下した。また、アーモンド、カシューナッツ、クリ、ピスタチオなどの木の実類では、同15%の低下がみられた。

 論文の主執筆者で、米ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard University T.H. Chan School of Public Health)栄養学部の研究員のマルタ・グアシュ・フェレ(Marta Guasch-Ferre)氏は「一般人口集団の慢性疾患リスクを減らすための健康的な食習慣の一環として、さまざまな種類のナッツの摂取量を増やすことが推奨されている。研究結果はこのアドバイスを裏づけるものだ」と話した。

 だが、今回の研究は自己評価質問表の回答に基づく観察研究であるため、因果関係を証明することはできない。

 スペイン・バルセロナのホスピタル・クリニック(Hospital Clinic)の医師、エミリオ・ロス(Emilio Ros)氏は、論文と同時掲載の解説記事で「これらナッツ類については、心臓血管の健康と健康的な老化を促進するための心臓病予防食に容易に組み込むことが可能な自然の健康カプセル剤とみなすことができるかもしれない」とコメントした。同氏によると、皮付きで未加工のものがより望ましいという。(c)AFP