【11月15日 AFP】(更新、写真追加)オーストラリアで15日、同性婚合法化の賛否を問う国民投票の結果が発表され、賛成票が多数を占めた。この結果を受けて、同性婚を合法化する改正法案が議会に提出されることになった。

 国民投票は2か月にわたって郵便投票で行われた。首都キャンベラで記者会見を開いたオーストラリア統計局(Australian Bureau of Statistics)は、投票した1270万人のうち62%前後が賛成し、反対は38.4%だったと発表した。

 デービス・カリッシュ(Davis Kalisch)局長は、投票率が80%近くに達したとも説明。「国民は統計が有権者の意見を反映していることを信頼できる」と続けた。

 同性カップルは早ければクリスマスまでに婚姻できるようになる可能性もある。ただ、それにはまず議会が拘束力のない国民投票の結果に法的効力を持たせる法律を制定する必要がある。

 投票結果が伝わると、国内の大都市では大勢の支持者が喜びを爆発させた。シドニーで開かれた大規模な集会では、クリスさんがパートナーと抱き合いながら「これはすべて、すべてだ」と感極まった様子だった。

 同性婚の合法化を支持している保守穏健派のマルコム・ターンブル(Malcolm Turnbull)首相は「公平へのイエス、コミットメントへのイエス、愛へのイエスだ」と結果をたたえた。

 ただ、保守連立与党内の強硬派は民間に同性婚の挙式の拒否などを認める「宗教の自由」条項を法案に盛り込むよう要求しており、首相は難しい調整を迫られる。

 首相や野党の労働党はこれまでに、同性婚を合法化する一方で宗教機関による同性婚の挙式拒否を認める簡素な法案を支持すると表明している。この法案は16日にも上院に提出される見通し。(c)AFP/David MILLIKIN