「地溝油」をバイオディーゼルとして再資源化へ 上海市
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【11月16日 CNS】中国で社会問題化している「地溝油(ちこうゆ)」が上海(Shanghai)で再資源化して利用される。上海市は8日、「地溝油」を再び食卓に流用させないよう厳しく管理するとともに、上海に設立されたバイオディーゼル団体の基準をもとに、地溝油を精製したバイオディーゼルとして車両や船舶など運送産業への応用を広く推進していくと発表した。同日開かれた市政府の記者会見で、同市の許昆林(Xu Kunlin)副市長が明らかにした。
地溝油とは工場などの排水、溝や下水溝に溜まった油のこと。飲食店などが地溝油をすくって「再利用」するケースが後を絶たず、中国の社会問題の一つとなっている。
こうした問題に対応するため、上海では現在、レストランなどで使用済みの廃棄油を「収集、運輸、処理、再利用」など一体化させた循環管理システムを実施している。許副市長は、この管理体制によって集められた廃棄油の量は約120トンを超えているとし、「廃棄油の収集・運搬についてはすでに上海市全体を網羅している」と述べた。集めた廃棄油を精製してバイオディーゼル燃料に変え、公共バスで使用されている。許副市長は、最近4年ほどで104台のバスに569万リットルのバイオディーゼル燃料が使われていることも明らかにした。
「今後は、一般車両に対してもさらに広くバイオディーゼル燃料が普及していくだろう」と、許副市長は述べる。最新の統計によると、10月30日から11月7日の9日間で、すでに車両458台のに合計約3万リットルのバイオディーセル燃料が使用されており、このうち424台が一般車両だという。「将来的なバイオディーゼル普及の見通しはとても明るい」と語り、同市では今後もテストを進め、貨物車を含めた業務用車両などにもバイオディーゼル燃料を使用できるように進めていき、さらに一部の船舶にも普及させていきたいという。
また、「市民の満足する食品安全都市をめざそう」というテーマの下、法や科学、AIによるスマート監視と人間による「心のこもった思いやりある」監視によって、継続した食品安全監視理念のイノベーションと技術革新を推し進めていくことを発表。今年の1月から10月までに上海食品安全監査部門は各食品業界の生産、経営企業に対し計39万6000回にもおよぶ検査を実施し、このうち4024件を各種食品安全の違法案件として処分した。
上海市の新たな監視体制については、現在実施中の「上海市ネットワーク餐飲服務管理弁法」などの制度や、インターネット上のプラットフォームを通した情報交換、データの共有などの方法によって、ネットワークによる食品運営という新業態の監視・管理を強化している。同時に、食品安全信用体系の構築を強化し、食品関連の生産者や経営者に自社の関連情報を市公共信用情報サービスのプラットフォームに登録させ、行政による許認可や処罰類の監査・管理の情報など累計約42万件の情報を配信している。また「ブラックリスト」制度も実施。今年に入りすでに4回発表され、食品の生産、経営企業4社、個人経営者18人が公表されている。(c)CNS/JCM/AFPBB News