北朝鮮兵が板門店で亡命、北側から銃撃受け病院へ搬送
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【11月13日 AFP】(更新、写真追加)北朝鮮軍の兵士1人が13日、南北を隔てる軍事境界線にある板門店(Panmunjom)で韓国へ亡命を図り、北朝鮮軍に銃撃されて負傷した。韓国軍が同日発表した声明で明らかにした。
韓国軍合同参謀本部の声明によると、この兵士は非武装地帯(DMZ)で唯一両国軍が対峙(たいじ)する板門店で、韓国側の共同警備区域(JSA)へ入ったという。
韓国軍は声明で、「北韓(北朝鮮)の兵士1人が、北韓の詰め所から(韓国側に位置する建物である)自由の家に向けて逃走し、わが軍が身柄を確保した」と発表した。
この兵士は北朝鮮兵から銃撃を受けており、病院に搬送された。容体についての詳しい情報は今のところ得られていない。
南北を隔てるDMZを越えて亡命する兵士は珍しくないが、多くの観光客が訪れる板門店でこうしたケースが起きるのはまれ。
聯合(Yonhap)ニュースが合同参謀本部の当局者の話として伝えたところによると、同日午後銃声を耳にした韓国兵らが、出血した北朝鮮の兵士の身柄を確保。
この当局者は、兵士が国連(UN)のヘリコプターで私立病院へと搬送され、意識を取り戻したと明かしたものの、けがが命に関わるものかどうかのコメントについては拒否した。
この兵士についての詳細は公表されていないが、軍服は階級が低いことを示唆しているという。
また軍事境界線を挟んでの交戦はなかったが、韓国軍側は北朝鮮の挑発行為に対する警戒レベルを引き上げたとしている。
その一方で聯合ニュースは同日、今回とは別の国境地帯に位置する規制地域に侵入した米国人を韓国警察が逮捕したと報じた。
年齢は58歳、ルイジアナ(Louisiana)州出身ということのみが判明している男性は先週韓国に到着し、「政治的な目的」のために北朝鮮への入国を望んでいたが、地元住民により通報されていたという。現在警察や軍、情報機関による事情聴取を受けている。(c)AFP