中国当局の反発恐れ、政治研究書の出版見合わせ オーストラリア
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【11月13日 AFP】オーストラリアの出版社が、中国の内政を扱った研究書の出版を、中国政府からの訴訟を恐れて見合わせたという。著者が13日、明らかにした。
豪チャールズ・スタート大学(Charles Sturt University)の研究者、クライブ・ハミルトン(Clive Hamilton)氏は豪ABCテレビに対し、出版目前だった自著「Silent Invasion(静かな侵入)」の印刷が先週、出版元のアレン・アンド・アンウィン(Allen & Unwin)によって中止されたと語った。
ハミルトン氏は「欧米の出版社が自国内で、中国共産党に関する資料の検閲を決定した初めての例だ。中国当局による言論の自由に対する弾圧をめぐる議論における一大転機だ」と述べた。
さらに同氏は「オーストラリアでこれに屈してしまったら、われわれがこの国で基本的権利や自由とみなしているものを守る大きな闘いに敗れることになる」とも述べた。
ハミルトン氏がABCに示したアレン・アンド・アンウィン社からのメールによると、同社が「中国当局関係者」の「標的になるのは明らか」で、法的措置による対抗を懸念していると書かれてあった。
出版元は13日、著者には「多大な敬意」を抱いているが、法律専門家の意見を得られるまで出版延期を決定したと回答した。(c)AFP