【11月12日 AFP】大気汚染が深刻なインドの首都ニューデリーの当局は、環境裁判所が女性や要人、バイクの使用者に汚染対策のための車両規制を免除することは認めないとする判断を下したことを受けて、自家用車の使用を規制する計画を断念した。

 デリー首都圏は1週間近くにわたって有害な微小粒子状物質を含むスモッグに覆わており、当局はこの問題に対処すべく多くの対応策を打ち出している。

 インド医師会(Indian Medical Association)が公衆衛生上の緊急事態と警告した状況を受け、デリー首都圏政府は9日、大気環境の改善を期待しニューデリーで13日から5日間にわたって車両規制を実施すると発表していた。

 しかし環境裁判所が緊急車両と圧縮天然ガス(CNG)車、ニューデリーのほとんどの公共交通機関を除いて例外を認めないとの判断を下したことを受け、ニューデリー当局は車両規制計画を断念すると発表した。

 ニューデリー交通当局のカイラシュ・ガーロット(Kailash Gahlot)氏は記者会見で「今は(車両規制)計画を断念する」と述べ、裁判所にはバイク使用者と女性が例外として認められなければ車両規制の実施が困難になるため、これを認めるよう再考を求めていると補足した。

 同氏は2つの例外をつくる理由として、公共交通機関への必要以上の負担に対応するのが難しくなるとした上で、最大の争点は「女性の安全」だと述べた。(c)AFP