【11月11日 AFP】サッカー元フランス代表のパトリス・エヴラ(Patrice Evra)が10日、所属するフランス・リーグ1のオリンピック・マルセイユ(Olympique de Marseille)のサポーターを蹴ったとして欧州大会への出場禁止を命じられた直後にチームを退団した。

 イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)でもプレーした経験を持つ36歳のエヴラについて、マルセイユは「双方同意」の上で退団することになったとして、「当該選手との契約は、正式にただちに終了する」と述べた。

 この直前に、欧州サッカー連盟(UEFA)から2018年6月30日まで欧州大会への出場停止処分と罰金1万ユーロ(約132万円)を科されたエヴラは、前週ポルトガルで行われたヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2017-18)のビトリア・ギマラエス(Vitoria Guimaraes)戦の試合開始前のウオームアップ中、マルセイユのファンに「カラテキック」をお見舞いして大きな批判を浴びていた。

 1993年に欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)を制覇したマルセイユのジャック・アンリ・エイロー(Jacques-Henri Eyraud)会長は同日、チームにとって重苦しい日となったと語り、「きょうは、とりわけパトリス・エヴラにとって悲しい日だ。彼は自分の行為が招いた結果を明確に理解しており、マルセイユ(Marseille)ではこれ以上プレーに情熱を示すことができなくなった」と述べた。

「それから、マルセイユのサポーターも、一部のファンによる無責任な行為のせいで汚名を着せられてしまった。最終的には、このクラブの名声も汚された」

 国際試合でも出場禁止処分が下されれば、エヴラは欧州以外の国に移籍することが不可能となるが、UEFAとしては国際サッカー連盟(FIFA)に追加処分を求めていない。

 10日に行われたウェールズとの親善試合に2-0で勝利した仏代表のディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督は、今回の問題に落胆しており、「とても複雑な状況だ。このようなことは誰にも起こってほしくない。処分が発表されたが、とても厳しいものだ」と述べた。(c)AFP/Emmanuel BARRANGUET