【11月11日 AFP】マイケル・フリン(Michael Flynn)前米大統領補佐官(国家安全保障担当)が、1500万ドル(約17億円)に上る謝礼と引き換えに、米国在住のトルコ人イスラム教指導者フェットフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師をトルコに強制送還する計画を同国政府高官と協議した疑いについて、米特別検察官が捜査を開始したことが分かった。米メディアが10日、報じた。

 米テレビ局NBCニュース(NBS News)と米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、ロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が大統領選で当選した数週間後にフリン氏が行ったトルコ政府高官との会合について調べている。

 会合では、フリン氏が政権入りした後、1500万ドルを内密に受け取ることと引き換えに、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の政敵であるギュレン師の国外退去工作を行うことが話し合われたとされる。

 また、エルドアン氏とつながりを持つイラン系トルコ人実業家で、イランによる米国の制裁回避を支援した容疑で昨年3月に米南部フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)で逮捕されたレザ・ザラブ(Reza Zarrab)容疑者の釈放も議題に上ったと報じられている。

 NBCとWSJ紙の報道はいずれも、モラー特別検察官が行う捜査について知る複数の人物の証言に基づいている。モラー氏は、昨年の米大統領選中にトランプ陣営がロシアと共謀関係にあった疑いをめぐる捜査を率いている。

 情報提供者らは、昨年12月にニューヨークの高級レストラン「21クラブ(21 Club)」で行われたフリン氏とトルコ政府高官の会合について、モラー特別検察官が関係者数人を聴取したと話している。(c)AFP