【11月10日 AFP】インドの首都ニューデリーで9日、同国とパキスタンの大部分に及んでいる深刻な大気汚染への対応策として、すべての建設工事と大型トラックの市内への乗り入れが禁止されたほか、自家用車の使用についても厳しい規制が発表された。

 3日連続で有害な微小粒子状物質を含むスモッグに覆われたデリー首都圏ではこれまでに、数千あるとされる学校が休校になっている。インド医師会(Indian Medical Association)が公衆衛生上の緊急事態と警告した状況を受け、デリー首都圏政府に対して緊急の対応を求める声が高まっていた。

 ニューデリー交通当局のカイラシュ・ガーロット(Kailash Gahlot)氏は報道陣に対し「デリー首都圏の状況はとてもひどく、汚染レベルが下がるのであればどんな手段であろうとそれを実施する」と述べ、13日から自家用車の使用を1日おきに規制する計画を発表した。

 ニューデリーでは毎晩、約5万台の大型トラックが走行しており、そのほとんどがディーゼル車だ。こうした大型トラックが同市を悩ます大気汚染の最大の原因となっている。

 インドでは冬の訪れの前などに弱い風と、農業が盛んな北部パンジャブ(Punjab)州とハリヤナ(Hariyana)州での収穫後の野焼きによって、大気中の汚染物質の値が安全基準の何十倍にも急上昇する。

 米大使館のウェブサイトによると、ニューデリー市内における有害な微小粒子状物質「PM2.5」の指数は8日午後に一時、1000を超えた。この数値は世界保健機関(WHO)の安全基準の40倍に当たる。(c)AFP