【11月8日 AFPBB News】マイノリティーや福祉に対するイメージを変えようと、最新技術の福祉機器の展示や体験型企画を行う第4回「超福祉展(Super Welfare Expo)」が、東京・渋谷駅周辺で始まった。主会場のヒカリエには、平日午前にも関わらず多くの人が訪れ、製品を試したり、解説に耳を傾けたりしていた。

 会場には、振動や光で音を認識するヘアピン型装置「オンテナ(Ontenna)」や、デザイン性の高い電動義手や車椅子などが並び、来場者は説明を聞きながら体験できる。別会場では、社会的マイノリティーの人が自らを「本」に見立てて体験を語る「ヒューマンライブラリー(Human Library)」や、VR技術を利用した認知症体験なども。

 主催のNPO法人ピープルデザイン研究所(People Design Institute)代表・須藤シンジ(Shinji Sudo)さんは「従来の同情される『福祉』の領域を突き抜けたい。ハンディキャップがあることが、かっこよくて、憧れの対象になりうると、直感的に感じてもらいたい」と意気込む。先天性脳性まひの息子を育てる中で、福祉や行政サービスに「憧れ」や「輝き」といった明るいイメージを感じられず、「次世代に新しい選択肢を」と5年前にNPOを立ち上げた。

 来場した神奈川県在住の会社員、浅野麻美(Mami Asano)さん(50)は、「新しいワクワクを感じた。数十年先、あるいはもっと近未来を見据えた、これからの日本を作る取り組みだと思う」と話す。

 昨年は来場者4万人を超えたが、今年も出足は好調だという。「3年後の東京五輪・パラリンピックを想定しているが、その先の2025〜30年には『ダイバーシティ』が当たり前で、助け合うことがかっこいいという価値観を作っていきたい」と須藤さんは期待をにじませる。開催は13日まで。(c)AFPBB News