米2州知事選とNY市長選で民主党が全勝、トランプ政権に厳しい回答
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【11月8日 AFP】7日に投開票が行われた米バージニア(Virginia)、ニュージャージー(New Jersey)両州の知事選とニューヨーク市長選の3つの選挙で、いずれも民主党が勝利した。昨年の大統領選での劇的な勝利から1年を迎えたドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の不人気が明確に示される結果となった。
今回の3つの選挙は、来年の米中間選挙の前哨戦としてトランプ大統領の影響力を測る試金石と位置付けられていたが、結果は批判派が「分断の政治」と呼ぶ同大統領の政治手法が真っ向から否定される形となった。
共和党にとって最も手痛い敗戦となったのは、首都ワシントンに隣接し、今後の国政選挙を占う指針とされるバージニア州だ。共和党のエド・ガレスピー(Ed Gillespie)元党全国委員長との接戦と思われたが、ふたを開けると予想外の9ポイント差で民主党のラルフ・ノーサム(Ralph Northam)現副知事が勝利した。
また、ニュージャージー州では、民主党候補のフィル・マーフィー(Phil Murphy)氏が13ポイント差で圧勝。かつてのトランプ氏の側近で、同州知事を8年務めたクリス・クリスティー(Chris Christie)氏の後続を狙った共和党候補は敗れた。
さらにトランプ大統領の地元であるニューヨークの市長選では、民主党の現職ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長が、反トランプの波に乗って再選を果たした。
民主党全国委員会のトム・ペレス(Tom Perez)委員長は7日夜の選挙結果を受け、CNNテレビで「これは米国の価値観をめぐる国民投票だ」と述べた。
一方、バージニア州知事選でトランプ大統領を登場させることがなかったガレスピー氏について、アジア歴訪中の同大統領は韓国からツイートを発信し「エド・ガレスピーは頑張ったが、私を利用することも、私の主張を採用することもしなかった」と述べた。
トランプ大統領はさらに、米経済は好調で「われわれ共和党はこれからも勝ち続ける」と記した。だが専門家の中には、今回の選挙結果は、民主党の勢いが盛り返す兆しだという見方もある。
ガレスピー候補はトランプ大統領と距離を置こうとしたが、まったく機能しなかった。フロリダ大学(University of Florida)のマイケル・マクドナルド(Michael McDonald)氏はAFPに対し、バージニア州知事選は共和党にとって「虐殺」同然の結果だと述べ、「トランプ氏は米国政治において多くを吸い込んでいる。いかなる共和党員も、ドナルド・トランプから逃れることは難しい」と語った。(c)AFP/Michael Mathes