【11月9日 CNS】中国・雲南省(Yunnan)に暮らす、60歳の農民画家の劉海(Liu Hai)さんは、ジャガイモの表面に絵を描くことで知られ、尋甸(Xundian)県当地のちょっとした有名人となっている。

 使用するジャガイモは必ず現地産で、さらに変わった形をしていなくてはならないとのことだ。

 劉さんは、小さい頃から人形に絵を描くことに興味をもち、家族や先生によく怒られていた。成長して教師になったが、画家の収入が教師より高いと感じ、村を行き来しては民家の扉に魔よけの神様の絵を描いたり、家具に絵を描いたり、時には彫刻作品を作ったりしている。村民や家族も一緒にこの仕事に携わっている。

「彫刻や絵画の技術は、すべて独学です。また家の農地が少なく、家族が多くて農作業だけでは生計を立てられない。ほかの手段を探さざるを得ませんでした。現在は年間で最低2~3万元(約34~51万円)の収入を得られるので、やはり農作業より稼げます」と劉さんは言う。「でも、私がこの仕事に携わっているのは趣味。ひとつの作品に時間をかけて完成させると、達成感を得られるのです」とも言う。

 劉さんの描いたジャガイモ人形が、昆明(Kunming)のある博覧会で展示されて以来、注目を集めるようになり、作品を購入したい人が工房に訪れるようになった。

 劉さんは今後、地元に農民作画協会を設立させ、絵を描くことが好きな村民を集めて共に創作に携わるようにしたいと考えている。(c)CNS/JCM/AFPBB News