1億4500万年前の「ネズミ」の歯、英大学生が発見
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【11月8日 AFP】1億4500万年前に生息していたネズミ似の動物の歯を英国の大学生が発見した。この動物は人類の遠い祖先に当たるという。古生物学誌「Acta Palaeontologica Polonica」が7日に報じた。
歯は、英イングランド(England)南西部ドーセット(Dorset)の海岸で採取した岩石から見つかったもので、英ポーツマス大学(University of Portsmouth)の学生、グラント・スミス(Grant Smith)さんが岩石を詳細に調べていた際に気がついた。
ポーツマス大の研究員、スティーブ・スウィートマン(Steve Sweetman)氏は、「歯はこの時代の岩石からはこれまで見つかっていない種類のもので極めて貴重。彼はそれを2つも発見した」と述べ、「見つかった歯について意見を求められのだが、一目見ただけで開いた口がふさがらないほど驚いた」と初めて歯を見た時のことを説明した。
歯はそれぞれ異なる2種類の動物のものと考えられている。どちらも小型で、体が毛皮で覆われており、夜行性で、昆虫やおそらく植物などを食べていた可能性が高いという。
スウィートマン氏は「これらの歯は、餌を突き刺したり、かみ切ったり、砕いたりすることが可能な高度に進化した種類のものだ」と説明。「また、歯がかなりすり減っており、持ち主の動物がそれらの種としては長生きしたことが示唆される。生息環境を捕食性恐竜と共有している状況にしては大したものだ」と続けた。
さらに、人類とは著しく異なっているものの、これらの動物は「人類に至る哺乳類の系統に属する、これまでに知られている中で最古の動物であることは疑う余地がない」とも述べている。
2種の哺乳動物はそれぞれ「Durlstodon ensomi」と「Durlstotherium newmani」と命名された。後者は、地元のパブを経営しているチャーリー・ニューマンさんにちなんだ名前だという。
今回の歯の発見地となったドーセットの「ジュラシック・コースト(Jurassic Coast)」は、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage Site)に登録されており、表出している地層は約1億8500万年分の歴史を記録している。(c)AFP