アリババ、世界電子貿易プラットフォーム新計画をクアラルンプールで発表
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【11月7日 財新】財新のニュースアプリ「世界説」の報道によると、アリババ創業者のジャック・マー(Jack Ma)会長は11月3日、マレーシアのナジブ・ラザク(Najib Razak)首相と共にマレーシア・クアラルンプール(Kuala Lumpur)の物流倉庫、搬送用ロボットなどを見学した。合わせて、中国国外では初めてとなる世界電子商取引プラットフォーム「eWTP」(Electronic World Trade Platform)を自由貿易区としてクアラルンプールに設立する新計画を発表した。
アリババとマレーシアデジタルエコノミー公社(Malaysia Digital Economy Corporation、MDEC)は2017年3月、「eWTP自由貿易区」プランをすでに始動させており、マレーシア国家にとっても重要な発展項目として位置付けられている。今週、ナジブ首相はメディアに対し、現在までに約1900社の中小企業が入居していると述べている。
「eWTP」はマー会長が提唱した概念で、企業主導のもと多分野から電子商取引プラットフォームに参加することで、物流ハブ、電子サービスプラットフォーム、電子決済・融資、IT人材育成を併せた機能によって、貿易による障壁を取り除き、中小企業や若い世代に必要な支援を行なっていく。
マレーシアでは、アントフィナンシャル(Ant Financial)がすでに現地銀行と契約を結び、電子マネーなどの技術を東南アジアに輸出している。また、アリババは10月30日、「アリクラウド(Alibaba Cloud)」マレーシアデータセンターを立ち上げ、マレーシア、シンガポール、香港、タイなどの消費者をターゲットにサービスを提供していくことを発表している。
アリババは東南アジアで、すでに20億ドル(約2270億円)の投資で東南アジア最大のEコマースサイトのラザダ(Lazada)の83%の株式を取得している。また8月には、インドネシア本土で最大のEコマース企業・トコペディア(Tokopedia)に新たに15億ドル(約1700億円)の融資も行っている。
アリババの世界的なライバルとも言うべきアマゾン(Amazon)は、相対的に東南アジアのEコマース市場への進出が遅れている。アマゾンがシンガポールで7月から展開を始めた「プライムナウ」サービスは、同社のシンガポール市場への初参入だった。(c)財新/JCM/AFPBB News