米銃乱射、動機は「家庭の事情」 容疑者、銃携帯許可持たず
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【11月7日 AFP】(更新)米テキサス(Texas)州のキリスト教会で5日に起き26人が死亡した銃乱射事件で、地元当局は6日、容疑者の男の動機は「家庭内の事情」にあったとみられると発表した。
テキサス州公安局のフリーマン・マーティン(Freeman Martin)氏は記者会見で、「これは人種関連の動機に基づくものでも、宗教上の信条に関わるものでもなかった。家族と義理の親族らとの間に持ち上がっていた家庭内の事情があった」と発表。
教会には実行犯とされるデビン・パトリック・ケリー(Devin Patrick Kelley)容疑者(26)の義理の母親が通っていたが、事件当日の日曜礼拝には参加していなかったとみられる。容疑者は事件前、この義理の母親に「脅迫メッセージ」を送り付けていたという。
事件が起きたサザーランドスプリングス(Sutherland Springs)は、同州サンアントニオ(San Antonio)に近い、緩やかな丘陵と大牧場が広がる人口約400人の町。当局によると、ケリー容疑者はファースト・バプテスト教会(First Baptist Church)内にいた信者らに向かって銃を乱射した後、自身の車内で銃を使い自殺したとみられる。
当局によると、ケリー容疑者はアサルト(攻撃用)ライフルの一種「AR15」1丁で犯行に及び、所有する車からは拳銃2丁も見つかった。グレッグ・アボット(Greg Abbott)州知事は、容疑者は同州で銃の携帯許可を申請したものの却下されており、武器の合法的入手は認められていなかったと述べている。
事件では、犯行後に逃亡したケリー容疑者の車を追跡した男性2人が英雄として称賛されている。当局者らによると、うち1人は、通りをはさんだ向かいにある自宅から自身のAR15ライフルを持って飛び出し、教会を出て駐車場の車に向かっていたケリー容疑者を負傷させたという。
事件ではさらに20人が負傷し、うち10人は重体となっている。マーティン氏によると、犠牲者の中には1歳半の幼児もおり、最年長の死者は77歳だったという。
ケリー容疑者については、元米空軍兵であることが判明。空軍によると、2010年からニューメキシコ(New Mexico)州の基地に配属されていたが、妻と子どもに暴行を加えたとして、2012年に軍法会議にかけられた。結果、同容疑者には禁錮1年が科され、その後2014年に懲戒除隊処分になったという。(c)AFP