【11月6日 AFP】国連(UN)の世界気象機関(WMO)は6日、エルニーニョ(El Nino)現象によって特に気温が高かった2年を除けば、今年が観測史上最も暑い年となる見通しだと発表した。

 ドイツのボン(Bonn)では同日、2015年に採択された地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」の具体的な規則づくりを協議する国連気候変動枠組み条約の第23回締約国会議(COP23)が開幕。

 WMOは同会議に合わせ、毎年発表している世界の気候状況に関する声明を出し、3~7年ごとの周期で発生し、世界の気温を押し上げるエルニーニョ現象の影響を受けた年を含めたとしても、今年は観測史上3番目に暑い年になる見通しだと明らかにした。

 2013年から今年にかけての5年間の平均気温をみると、1世紀以上前に正確な計測が始まって以来最高になる可能性が高く、これは長期的な温暖化傾向を示す強い証拠となる。

 また今や世界人口の約3割が、毎年少なくとも数日間「極度の高温」を経験しており、また命を奪う可能性があるほどの熱波にさらされる人の数は2000年以降、1億2500万人増加したという。

 COP23の冒頭では、議長国を務めるフィジーのボレンゲ・バイニマラマ(Voreqe Bainimarama)首相が、「世界は、破壊的なハリケーンや火災、干ばつ、氷の溶解、農業を見舞う変化といった、われわれの食料安全保障を脅かす気候変動が原因の極端な気象事象の渦中にある」と指摘。

「われわれの総意として世界に訴えたいのは、パリで定めた方向性を維持するということだ」と述べ、世界に対して「迅速な行動」を求めた。(c)AFP