【11月5日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は3日に日米開戦の地となったハワイ(Hawaii)州真珠湾(Pearl Harbor)を訪問した後、現地時間4日朝大統領専用機エアフォースワン(Air Force One)に搭乗し、北朝鮮による核の脅威が高まるアジアへの歴訪に出発した。

 日本、韓国、中国、ベトナム、そしてフィリピンと、約2週間にわたりアジアを歴訪するトランプ大統領の今回の旅では北朝鮮の核問題についての討議が比重を占めると予測されている。

 トランプ大統領は過去数か月間、北朝鮮と激しい言葉の応酬を続けており、両国による核戦争の危険性が取り沙汰されている。韓国では、トランプ氏が演説原稿にない発言をする傾向があるため北朝鮮を激しく攻撃して状況が悪化することが懸念されている。

 大きな注目を集める今回のアジア歴訪では、強い権力を持つ中国の習近平(Xi Jinping)国家主席や物議を醸すフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領をはじめとするアジア各国の首脳との会談を通し、ロシアによる米大統領選介入疑惑などの自国内でのトラブルから逃れることもトランプ大統領の目的の一つだ。

■安倍首相とゴルフ外交

 トランプ大統領は日本の「友人」である安倍晋三(Shinzo Abe)首相と日米両国の同盟関係を強固にすることを目指す一連の会談を行う前に、5日に日本でゴルフを楽しむ予定。両首脳は今年2月にもフロリダ(Florida)州マーアーラゴ(Mar-a-Lago)のトランプ氏別荘でも共にゴルフをしていた。

 7日から訪問する韓国では、トランプ大統領は歴代米大統領の多くとは異なり、南北朝鮮間の軍事境界線沿いにある非武装地帯(DMZ)視察を見送ることを決定している。トランプ氏は韓国の国会で演説する予定になっており、その内容が注目される。

 韓国訪問後、トランプ大統領は8日から中国の北京(Beijing)を訪問し、数週間前に2期目の指導部を発足させ、世界一の人口を誇る中国での権力強化が進む習近平国家主席と会談する。

 トランプ大統領はその後ベトナムでアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席。環太平洋連携協定(TPP)離脱という公約を大統領就任直後に果たした同大統領が明らかにする予定の「自由で開放されたインド・太平洋地域」構想を、同地域の経済界は待ち望んでいた。

 トランプ大統領はその後12、13日にフィリピンのマニラ(Manila)を訪問し、米・東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に出席する。率直な発言で知られる同国のドゥテルテ大統領との首脳会談も行う。(c)AFP/Jim WATSON