【11月3日 AFP】(更新)H・R・マクマスター(H.R. McMaster)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は2日、北朝鮮のテロ支援国家再指定は「検討中の」選択肢だと言明した。一方、スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)米財務長官は、北朝鮮が金融制裁を回避して資金洗浄するのを助けているとして、中国の丹東銀行(Bank of Dandong、遼寧省Liaoning)を米国の金融システムから排除したと発表した。

 マクマスター氏は同日の記者会見で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏がマレーシアで殺害された事件に言及。それが北朝鮮のテロ支援国家再指定の理由の一つになる可能性があるとし、決定が「近く」行われると説明した。

 スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)財務長官は同日、丹東銀行の排除のほかに、北朝鮮による世界の金融システム侵入の試みに関して、国際的な銀行のリスクやコンプライアンス(法令順守)担当者による発見を支援する新たなガイドラインも発表した。

 ムニューシン氏は「世界中の銀行や企業は、北朝鮮が違法な資金調達や貿易をしていないか警戒しなければならない」と述べた。

 ドル建て貿易決済の大半は米国の金融システムを通じて行われるため、それから遮断されると各国の銀行は営業が困難になる。

 米政府は6月、その他の企業に対しても金融システムから締め出す計画があると警告していたが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領がアジア歴訪に出発する直前になってようやく実施された。

 トランプ大統領は中国政府に対し、米国の各都市を射程内に収める核弾頭ミサイルの開発を北朝鮮に中止させるべく、圧力を強化するよう求めてきた。

 トランプ大統領は来週、こうしたメッセージを北京(Beijing)で中国の習近平(Xi Jinping)国家主席に改めて伝えるとみられるが、中国は北朝鮮の金正恩政権の不安定化につながる制裁の実施に消極的だ。(c)AFP/Dave Clark