【11月2日 AFP】(更新)米ニューヨークで起き8人が死亡した車突入事件で、同市警察は1日、車を運転していたウズベキスタン人移民の男が、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のために犯行に及んだとの見解を示した。男は数週間前から犯行を計画していたという。

 10月31日に起きた事件では、サイフロ・サイポフ(Sayfullo Saipov)容疑者(29)が運転するトラックが自転車専用道路に侵入し、歩行者や自転車利用者を次々とはねた末に、スクールバスに衝突して停止した。

 容疑者は空気銃を持って車外に出たところを、警察に腹部を撃たれ身柄を拘束された。容疑者は命に別条はなく、搬送先の病院で取り調べを受けている。

 ニューヨーク市警当局によると、現場からはアラビア語で「ISは永久に不滅」という旨の文章が書かれたメモが見つかった。また、容疑者は犯行時に「アラーアクバル(アラビア語で神は偉大なりの意)」と叫んでいたとも報じられている。

 同市警の情報・対テロ活動を指揮するジョン・ミラー(John Miller)氏は記者会見で、容疑者はISが以前からソーシャルメディア上で信奉者に向け実行を呼び掛けていた襲撃方法に「ほぼ完ぺきに沿った形で」犯行に及んだと指摘した。

 車を歩行者に突入させる手口は、バルセロナやロンドン、ストックホルム、ニースなどの欧州各地でIS同調者が起こした襲撃事件でも使われていた。ニースで昨年7月に起きた事件では、チュニジア人の男が運転するトラックが革命記念日(Bastille Day)を祝っていた人々に突っ込み、86人が死亡した。

 警察は、サイポフ容疑者が過激思想に染まった時期を断定するのは時期尚早だとしているが、ニューヨーク州のアンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)知事はCNNテレビに対し、容疑者の過激化は2010年3月に米国に移住した後に起きたと語った。

 ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙は、容疑者が以前に連邦当局の関心を引いていたと報じているが、ニューヨーク市警当局は、容疑者が同市警や連邦捜査局(FBI)の捜査対象にはなったことは一度もなかったと説明している。(c)AFP/Thomas URBAIN/Jennie MATTHEW