【10月31日 AFP】スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州の独立問題をめぐり、州首相を解任されたカルレス・プチデモン(Carles Puigdemont)氏がベルギーに渡り、亡命事案に関わった経験を持つ弁護士と連絡を取っていたことが30日、分かった。同氏ら州政府幹部に対してはスペインの検察当局が反逆などの容疑で訴追手続き進めている。

 プチデモン氏は28日にテレビ演説を行い、州の自治権停止に踏み切った中央政府に「民主的な抵抗」をするよう地元住民らに呼び掛けていたが、それ以降は動静が伝えられていなかった。

 しかしその後、ベルギーを訪れ、スペイン・バスク(Basque)地方の住民の亡命事案を手がけた弁護士のポール・ベカルト(Paul Bekaert)氏と連絡を取っていた。バスク地方では、非合法武装組織「バスク祖国と自由(ETA)」が分離独立を求めて数十年にわたって武装闘争を繰り広げた。

 ベカルト氏は30日、ベルギーの公共放送VRTに対し「プチデモン氏は亡命を申請するためにベルギーにいるわけではない。本件についてはまだ何も決まっていない」と語っている。

 スペインメディアは、プチデモン氏は複数の州政府幹部らとベルギーに向かったと報じている。

 スペインの検事総長は、中央政府によって解任されたカタルーニャ州政府の幹部らを国家反逆や扇動の容疑で訴追する考えを示している。反逆罪で有罪となれば最大で禁錮30年を科される可能性がある。(c)AFP/Laurence Boutreux with Simon Sturdee in Madrid