【10月28日 AFP】米政府がこのたび公開した、ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)元大統領の暗殺に関する資料には興味深い情報がたくさんあるが、専門家らは世界を震撼(しんかん)させた1963年11月22日の暗殺事件を暴くセンセーショナルな新事実は一切含まれていないようだと指摘し、失望をあらわにしている。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の指示により、米国立公文書館(National Archives)は26日、ケネディ元大統領暗殺に関する資料2891点をオンラインで公開。しかし同大統領はその直前に、中央情報局(CIA)と連邦捜査局(FBI)からの要請を受け、「慎重に扱うべき」一部の資料については公開の差し止めを決定した。

 土壇場での公開差し止めに多くのケネディ研究家は失望し、カリスマ性にあふれた当時46歳の同大統領がテキサス(Texas)州ダラス(Dallas)で暗殺された事件をめぐる陰謀論の火に新たな油を注ぐ形になった。

「ケネディ暗殺 ウォーレン委員会50年目の証言」(原題:A Cruel and Shocking Act: the Secret History of the Kennedy Assassination)の著者、フィリップ・シノン(Philip Shenon)氏はAFPに対し、「公開された文書の大半は私たちがすでに見たことのあるものばかり」「編集された形で以前見たことがある」と述べ失望感を示した。「本当に重要な極秘文書の大半は今回公開されたものの中にはない」 (c)AFP/Chris Lefkow