ノーベル財団、賞金原資を核兵器関連にも投資 資金引き揚げへ
このニュースをシェア
【10月28日 AFP】ノーベル財団(Nobel Foundation)は27日、ノーベル賞(Nobel Prize)の賞金の原資を今後一切核兵器製造者に投資しないと発表した。
スウェーデンの首都ストックホルム(Stockholm)に本部があるノーベル財団は、ノーベル賞の創設者でダイナマイトの発明者でもあるスウェーデン人科学者アルフレド・ノーベル(Alfred Nobel)の遺産の管理を担っている。
ノーベル賞受賞者に与えられる賞金はこの遺産を原資としているが、ノルウェーの環境団体「Framtiden i vaare hender(The Future in Our Hands、未来は我々の手に)」によると、ノーベルの遺産は核兵器を製造する企業にも投資されているという。
ノーベル賞の賞金の一部は「欧州航空機大手のエアバス(Airbus)、米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)、仏航空宇宙大手サフラン(Safran)、米航空宇宙大手ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)」への投資から得られた利益から出ており、Framtidenは「ノーベル財団は核兵器の製造に関与している企業に投資している可能性が極めて高い」と指摘している。
ノルウェー・ノーベル賞委員会(Norwegian Nobel Committee)が今月6日に2017年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を反核団体「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」に授与すると発表してから間もないタイミングでの今回の指摘は、ノーベル財団にとってきまりが悪いものとなった。
ノーベル財団のラーシュ・ヘイケンステン(Lars Heikensten)専務理事によると、同財団は倫理規則を厳格化し、間接的なものも含め核兵器の製造者への新規投資を中止しており、12か月以内に核兵器製造者に投資した資金の引き揚げ、あるいは調整を行うとしている。
ヘイケンステン氏は「もっと早くできただろうと言われるかもしれないが、われわれは3月に規則を厳格化し、今はそれに従って動いているところだ」と述べた。「遅くとも来年3月までに、核兵器に関連しているとされるあらゆる物の製造に関わっている対象への投資から一切手を引く」 (c)AFP