プーチン批判の独立系紙、非殺傷武器で記者を「武装」へ ロシア
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【10月27日 AFP】ロシアでウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領批判の先頭に立つ独立系紙ノーバヤ・ガゼータ(Novaya Gazeta)は26日、襲撃に対する自衛のため記者らに非殺傷武器を配布し、武器の使用訓練を受けさせる方針を発表した。
同国では政権批判派への襲撃が頻発。先週にはリベラル派のラジオ局「モスクワのこだま(Echo of Moscow)」の局内で、女性パーソナリティーのタチアナ・フェルゲンハウエル(Tatyana Felgenhauer)さん(34)が、情緒不安定な男に首を刺される事件が発生した。
ノーバヤ・ガゼータのセルゲイ・ソコロフ(Sergei Sokolov)副編集長はAFPに対し26日、「国家にわれわれを守る用意がないのならば、われわれは自衛する」「ジャーナリストが路上で犯罪に遭っても自分でどうしようもできず、警察機関も規律に欠けているのならば、他に方法はない」と述べた。
また同紙のドミトリー・ムラトフ(Dmitry Muratov)編集長は25日、社として武器を購入し、従業員に武器の使用訓練を受けさせると述べた。
ロシアでは銃器の使用が厳しく規制されている。ゴム弾を発射する銃などは自衛のために使用することができるが、これも致死性の損傷を与える可能性がある。
ノーバヤ・ガゼータでは、2006年に首都モスクワの自宅アパートの玄関で射殺された調査報道記者アンナ・ポリトコフスカヤ(Anna Politkovskaya)さんを含め、殺人を請け負った暗殺者によって過去20年の間に数人のジャーナリストを失っている。(c)AFP/Victoria LOGUINOVA-YAKOVLEVA