フェデラー、現役引退のヒンギスに感謝「勝ち方教えてくれた」
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【10月27日 AFP】男子テニスのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は26日、同日に現役引退を表明したマルチナ・ヒンギス(Martina Hingis、スイス)がコートを去るのを見るのは「悲しくない」と話し、自身が四大大会(グランドスラム)最多の優勝回数を数える手助けをしてくれた同胞に感謝の意を示した。
ヒンギスと共に2001年の男女混合国別対抗戦ホップマンカップ(Hopman Cup)で優勝したフェデラーは、現在開催中のWTAツアー選手権(BNP Paribas WTA Finals Singapore 2017)を最後に現役を退く意向を今年初めと先週に本人の口から直接聞いていたという。
グランドスラムで通算19回の優勝経験を誇るフェデラーは、「マルチナは私に勝ち方を教えてくれた人の一人」とすると、「スイスという国にとって、彼女のような存在がいたのは非常に大きかったし、私たちはラッキーだった。彼女とホップマンカップで一緒にプレーできたのは最高だったし、いつもフレンドリーだった。そういうところが好きだったんだ」と語った。
「彼女の引退を見るのは悲しくない。もう十分に長くプレーしてきた。自分が下した決断にも納得しているようだったし、それは素晴らしいことだと思う。これまでも彼女のファンだったが、今後もその気持ちは変わらない」
現在37歳のヒンギスはこの日、自身3度目となる現役引退の意向を表明。1990年代に10代でスーパースターになった同選手は、シングルスとダブルス両方で世界ランキング1位になった20年に及ぶ輝かしいキャリアに幕を下ろすことになる。
シンガポールで行われているWTAツアー選手権に出場中のヒンギスは、チャン・ユンジャン(Yung Jan Chan、台湾)と組んだダブルスでアンアレーナ・グローネフェルド(Anna-Lena Groenefeld、ドイツ)/クベタ・ペシュケ(Kveta Peschke、チェコ)組を6-3、6-2で下した試合後、「これが完全な引退になると思う。前はまた戻って来るかもしれないと思いながらやめたけど、今回は違う」と語った。
「今シーズン終了後というのも完璧なタイミングだと思う。すでに後退しているときではなく、頂点に立っているときにやめたいものだからね。これ以上ない終わり方だ」
ヒンギスは、グランドスラムのシングルスで通算5度の優勝を果たしていた2003年、けがを理由に22歳の若さで1回目の現役引退を決断。その2年後に復帰を飾ったが、2007年に行われたウィンブルドンの薬物検査で失格となり、再び現役を退いた。
しかしその後、ダブルスのスペシャリストとして再びコートに戻って来たヒンギスは、女子ダブルスと混合ダブルスで計20個のグランドスラムタイトルを獲得するなど多大なる成功を収め、世界ランキング1位としてキャリアを終えることになっている。(c)AFP/Tristan Lavalette