相次ぐ不祥事でつまずいた日本の自動車産業、「黄金時代」の復活狙う
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【10月27日 AFP】世界の自動車市場でかつて「ポールポジション」を占めていた日本の自動車大手は、相次ぐ品質問題の発覚に加え、激しい国際競争や技術の遅れが相まってその優位性を失いつつある。だが専門家らは、世界を席巻した日本の自動車業界が復活に向かう可能性はあるとみている。
今週開催されている「第45回東京モーターショー2017(Tokyo Motor Show 2017)」では、トヨタ自動車(Toyota Motor)、日産自動車(Nissan Motor)、小型車メーカーのスズキ(Suzuki Motor)が一様に、次世代を担うモデルを華々しく披露した。だが、今回の東京モーターショーは、日本の自動車業界にとっていかにもタイミングの悪い時期に当たった。
三菱自動車(Mitsubishi Motors)は昨年、燃費試験におけるデータ不正操作が明るみに出た。今年夏には、世界で少なくとも17人が死亡した事故で問題視された欠陥エアバッグのメーカー、タカタ(Takata)が倒産した。
また今年9月には、日産が無資格者に車両の品質検査を行わせていたことが発覚し、これまでに約120万台をリコール(回収・無償修理)、国内向け生産を停止した。さらに追い打ちをかけるように、日本の自動車業界に製品を供給してきた神戸製鋼所(Kobe Steel)も、品質データ改ざんが暴露された。
■「黄金時代は終わった」のか?
品質問題は日本だけの問題ではなく、独自動車大手フォルクスワーゲン(Volkswagen)の大規模なディーゼル車排ガス不正問題もあったように、世界の自動車産業にここ何十年も付きまとっている。
だが、日本の自動車業界は、必要なものを必要なときに作る「かんばん方式」や、過剰ともいえるほど絶え間ない改善努力をかつて世界がうらやんだ状況とは程遠くなっている。
ドイツの自動車専門家、フェルディナンド・デューデンホッファー(Ferdinand Dudenhoeffer)氏はAFPの取材に「日本の自動車メーカーの黄金時代は終わった」と語り、相次ぐ不祥事で「品質の高さに対する定評が、深刻に低下している」と指摘した。
日本の自動車業界はすでに、急速な高齢化に伴う国内市場の縮小という難問に取り組んでいる。だが、品質に対する高い評価に頼った国際競争ができないとなると、その課題はいっそう厳しいものになると、自動車市場などを研究する仏経済研究団体「Observatoire Cetelem」のエコノミスト、フラビアン・ヌビ(Flavien Neuvy)氏は言う。
トヨタによる世界初の量産型水素燃料電池車(FCV)「ミライ(Mirai)」は、20年前に発売したハイブリッド車(HV)「プリウス(Prius)」に比べると、まだ大ヒットには至っていない。