【10月29日 東方新報】中国・北京市(Beijing)教育委員会はこのほど、小中学校の給食の安全管理などを定めたガイドライン『北京市小中学校食堂管理方法(試行)』と『北京市小中学校委託給食管理方法(試行)』を学校と給食委託業者に向けて通達した。学校食堂は冷菜や魚介類の生食、生絞りジュースなどを提供してはならないことや、これまで中国では教師用の食堂と生徒用と分かれている場合が多かったが、校長や教師が生徒と一緒に食堂で同じ給食を食べるよう求めているほか、食堂に校内栄養士を配備するなどといった管理方法が、10月から実施されている。

 給食や学校食堂の委託業者は、郊外の調理工場から昼食時間に間に合わせるため、午前8~9時には運搬車が出発する。昼食時間になる頃には色も見た目も悪くなってしまい、生徒たちが食べ残し、お腹を満たせないなどの現象が問題になっていた。学校によっては、委託業者と協力して加熱などの最終調理は学校に到着してから行うようにするなどの対策を行っているが、校内に調理場を持たない学校も少なくないのが現実だ。また、学校側は保護者と生徒にも学校食堂や委託給食に関してアンケートの実施、意見交換や参観・試食などの場を定期的に設けており、生徒や保護者の意見を取り入れ、改善を行っている。

 衛生面でも、試行錯誤が続く。ある学校では学生課と学校医の2~3人が毎日、前もって検食する。見た目、味、栄養、価格、衛生面について確認し、食堂の管理人と意見交換を行う。食後20分過ぎても問題がなければ、生徒に提供して良いという方法をとっている。別の学校では、専門の実験室を設置して原材料の農薬や微生物に関して検査を毎日行い、結果は常に中国農業大学(China Agricultural University)へ送られ、何らかの問題が発見されると農業大学から学校へ連絡がいく仕組みになっている。

 中国農業大学食品科学・栄養工程学院の朱毅(Zhu Yi)副教授は、「北京市内の小中学生の中には栄養バランスが偏り、肥満や痩せすぎなどの問題が起こっている。肥満の子どもは全体の20%以上に達しており、慢性疾患を引き起こす可能性もある。今後は学校が中心となって、家庭、社会全体で改善していくべきだ」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News