【10月26日 AFP】ロックンロールの誕生に貢献した陽気なピアノ演奏スタイル「ブギウギ」で知られるファッツ・ドミノ(Fats Domino)さんが24日朝、生涯暮らし続けた米ルイジアナ(Louisiana)州ニューオーリンズ(New Orleans)で死去した。89歳だった。翌25日に発表した同州ジェファーソン郡(Jefferson Parish)の検視官によれば、自然死だという。

 人前にめったに姿を見せないことで知られたドミノさんは、特にこの10年間はほとんど公の場に出ることはなかった。検視官の発表に先立ち、ドミノさんの娘は地元のテレビ局に対し、同氏が家族に最期をみとられながら安らかに旅立ったことを明かした。

 1950年代にヒット曲を連発したドミノさんについて、エルビス・プレスリー(Elvis Presley)さんやボブ・マーリー(Bob Marley)さんなどの伝説的ミュージシャンらは欠くことのできない影響を受けた人物と賞賛し、とりわけビートルズ(The Beatles)の元メンバーらは同氏の音楽がロックとの初めての出会いだと語っていた。

 アントワーヌ・ドミノ(Antoine Domino)の本名を持ち、丸々とした体格をしていたドミノさんは、1949年の楽曲「The Fat Man」のヒットによって「ファッツ(太っちょ)」の愛称を不動のものとした。ロックンロール初のシングル盤として知られる同楽曲は、第2次世界大戦(World War II)後の消費文化の発展に伴い、100万枚を売り上げた。

 ドミノさんはその後もヒット曲を連発し、「Ain't That a Shame」や「Blueberry Hill」「I'm Walking」「It's You I Love」といった楽曲は、米国のジュークボックスの定番となった。(c)AFP/Shaun TANDON