中国・大連の日系企業のチャンスとチャレンジ 市委員会書記に本紙単独取材
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【10月25日 東方新報】「改革開放から40年近く、中国が世界へ向かう上で外資は重要な役割を担ってきた。しかし中国産業の国際地位の変化、特に世界貿易機関(WTO)へ加盟して以降、中国は世界の経済と貿易において重要な役割を果たすようになり、それに伴い中国国内の外資企業にも大きな変化をもたらしている」。遼寧省(Liaoning)委員会常務委員で、大連市委員会の譚作鈞(Tan Zuojun)書記が本誌単独インタビューに対し、こう述べた。大連の日系企業は開放・友好に向けた経済環境における新たなチャンスと同時に、構造転換や高度化などグローバル化の競争への挑戦を求められる状況におかれているという。
「大連市(Dalian)は中国でも日系企業が集中的に投資する地区の一つで、現在は4710社が拠点を構える。従来、外資企業が重視していたのは中国の安価な労働力だった」。中国国内のインフラが整い始め、労働力のコストも徐々に上がってきた。国家も社会も環境保護を重視し始めるようになったことなどだ。外資企業はその流れに適応し、中国の発展と共に、構造転換や高度化を図る必要が出てきた。
譚書記は、「中国の外資企業と中国企業は、平等にWTO協定を守らなければならない。外資政策の引き締めを意味しているわけではなく、外資企業が中国企業と同じマーケットで競争でき、ここで大きな市場シェアを獲得するチャンスなのだ」と語る。
大連市の発展について、譚書記は「中国共産党大会を終えたら、大連市は外資導入、国際協業の強化、中国企業の海外進出などの分野に力を入れ、以前より開放的で友好的な経済活動を目指す。現在、市委員会と市政府は、対外開放の具体的な実施方法について研究を行っている。大連市はハイテク企業、特に市内の大学や研究開発機構と協業する企業を支援したいと考えている」と述べた。
中国(遼寧)自由貿易大連副試験区は大連市の制度の改革、政府の効率向上、ビジネス環境の改善などにおいて創新と探求に役立っている。「大連市は日系企業を重視しており、商品を世界に向けて輸出する協力を仰ぎたい」と譚書記は話す。また、2016年に新たに大連に進出した日系企業は57社で2015年よりも20%増えたという。
「日系企業の大連への投資は70、80年代から始まった。市政府は毎年2回、日系企業と座談会を開くなど交流を図っている。また、日本商工会が毎年発表する報告に基づき、瀋陽市(Shenyang)や大連市などの日系企業が直面している問題点を認識し、フォローアップを行ってきた」という。譚書記によると、大まかな統計では大連市には日本と友好関係にある地域や団体が20以上あり、「経済貿易以外にも文化、観光などの方面でも交流があり、日本と中国の友情を深めている」という。(c)東方新報/AFPBB News