スラム街ツアーのスペイン人観光客、警察の発砲で死亡 ブラジル
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【10月24日 AFP】ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)警察は23日、同市内の治安の悪いスラム街を訪れていたスペイン人の女性観光客1人に誤って発砲し、死なせたことを明らかにした。このスラム街では同日、麻薬密売組織との銃撃戦で他に警察官2人が負傷している。
警察の声明によれば、ファベーラと呼ばれるスラム街の一つ、ロッシーニャ(Rocinha)で23日午前10時30分(日本時間同午後9時30分)ごろ、1台の車両が警察のバリケードを突破したため、現場にいた警察官らは中に観光客が乗っているとは知らずに「とっさに反応」したという。
同声明では、その後の取り調べで「この車は観光客の輸送用だったことが判明した」と続け、負傷したスペイン人の女性観光客(67)は病院に搬送されたものの、けがが原因で死亡したことを明らかにしている。女性は首の辺りを少なくとも1か所撃たれていた。
発砲が起きる1時間前、現場となったロッシーニャの2か所で警察の精鋭部隊が麻薬密売組織のメンバーと銃撃を繰り広げる事件が発生していた。
ロッシーニャは長いこと当局の管理がほとんど及ばず、麻薬密売組織が大半の地域を仕切っている。当局は、観光客に対してファべーラに立ち寄らないよう勧告しているが、一部の旅行会社は「ファべーラ・ツアー」を実施し続けている。
今回、発砲事件に巻き込まれた車両を運転していたイタリア人のツアーガイドは当局に対し、警察のバリケードは見ておらず、ロッシーニャでこの日、銃撃事件が起きたことも知らなかったと証言している。(c)AFP