【10月23日 AFP】(更新)シリア中部カルヤタイン(Al-Qaryatain)で今月、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」がシリア政府部隊に同地を奪還される前に、体制側と協力関係にあると疑われた116人を殺害していたことが分かった。英国に拠点を置くNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が23日、発表した。

 同監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は、「ISは20日間のうちに、政府軍と協力関係にあったとみなした民間人116人を報復として処刑した」と述べた。

 政府軍は21日、ISによって再び占領された中部ホムス(Homs)県のカルヤタインをおよそ3週間ぶりに奪還。ISは2015年に同地を初めて占領し、ロシアの支援を受けるシリア政府軍が翌年、奪い返した。

 ラフマン代表によると、「(21日の)政府軍による奪還後、住民が路上で複数の死体を発見した。殺害された人々は銃で撃たれるか、刃物で殺されていた」という。

 また同代表は、ISによる1か月前のカルヤタイン襲撃に加わった戦闘員のほとんどが工作員だったと指摘。「戦闘員のほとんどがカルヤタイン出身で、住民たちのこと、そして市民の誰が体制側かそうでないかを熟知していた」と述べた。また殺害された人の多くが、ISが同地を奪い返される当日までの2日間で「処刑」されたという。(c)AFP