「旅行中に食中毒」、 英国人800人賠償金目的で虚偽申告の疑い スペイン
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【10月21日 AFP】スペインの警察当局は20日、同国の観光地バレアレス諸島(Balearic Islands)を旅行中に食中毒にかかったとうそをつき、賠償金をだまし取ろうとした疑いのある英国人観光客、約800人を特定したと発表した。
現地警察は捜査の過程で、観光客らが賠償請求に使ったことが疑われる法律事務所77件を一覧にした。これらの法律事務所は「偽の申告に基づいた犯罪ネットワークを組織化し、バレアレス諸島とスペインの観光業に著しい経済的打撃を与えた疑いがある」という。
警察によると、イビサ(Ibiza)、マヨルカ(Mallorca)、メノルカ(Menorca)といった島々を含むバレアレス諸島では、昨年の1月から9月にかけて旅行中の病気の申告が8倍に増え、こうした申告に対する賠償金額は計400万ポンド(約6億円)に相当するという。
また、うその食中毒を申告する問題は、カナリア諸島(Canary Islands)や、英国人観光客に人気のリゾート地ベニドルム(Benidorm)がある地中海(Mediterranean Sea)沿岸のレバンテ(Levante)地方にも広がっているという。
スペインの観光当局によると、英国の消費者法では旅行中の病気を証明する際に医療記録の提出が必要とされておらず、また宿泊から3年後まで病気の申告ができることなどが問題を生じさせているという。
英国からスペインへの観光客は昨年12%増加し、過去最高の1780万人に上った。(c)AFP