ブッシュ元大統領、トランプ政権を暗に非難 「偏狭さの助長」警鐘
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【10月20日 AFP】ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)元米大統領は19日、ニューヨーク(New York)で行った演説で、名指しを避けながらもドナルド・トランプ(Donald Trump)政権とその支持層を鋭く非難し、偏狭さや白人至上主義、うそによって国民の品格がすさみ、米国の民主主義が脅かされていると警鐘を鳴らした。
この演説は、ジョージ・W・ブッシュ研究所(George W. Bush Institute)主催の討論会「自由の精神(Spirit of Liberty)」でのもの。ブッシュ氏は「偏狭さが助長されているようだ。われわれの政治は、陰謀論や全くの作り話の影響に弱くなっているように見える」としたほか、「偏狭さや白人至上主義はどのような形であれ、米国の信条に対する冒瀆(ぼうとく)だ」と述べた。
トランプ大統領を名指しこそしなかったが、同氏の発言は明らかに、現政権と、昨年の大統領選でトランプ氏を勝利に導いた同氏支持者らの政治行動を批判する内容だった。
ブッシュ氏は後任のバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領と異なり、これまでトランプ氏や米国の政治状況について公の場で発言することはほとんどなかった。今回の演説は、これまでの沈黙を破るとともに、米国史上類を見ない状況の中、元指導者として懸念を示すものとなった。(c)AFP