【10月20日 AFP】国際エネルギー機関(IEA)は今月、太陽光発電における「新時代」と中国での堅調な拡大が主要なけん引力となり、再生可能エネルギー産業は予想を上回るペースで成長しているとする報告書を発表した。

 IEAのファティ・ビロル(Fatih Birol)事務局長は報告書の中で、「われわれが目の当たりにしているのは、ソーラーPV(太陽光発電)における新時代の始まりだ」、「太陽光発電能力は2022年までに、他のいかなる再生可能テクノロジーよりも増大するだろう」と述べている。

 IEAの算出によると、昨年、太陽光発電容量は世界全体で50%増加。その増加分のほぼ半分を占めたのは中国だった。さらにIEAは「太陽光による発電容量が初めて、他のどの燃料(による発電容量)よりも早いペースで増加し、石炭の純増を上回った」と述べている。

 また報告書は、太陽光発電分野の拡大に押し上げられることによって、「再生可能エネルギー産業は今後数年にわたって堅調に成長し続け、その発電容量は2022年までに43%増加すると見込まれる」としている。

 再生可能エネルギーが昨年、世界全体の新規発電容量に占めた割合は約3分の2だとIEAは算出している。

 ビロル氏は、「再生可能エネルギーは2022年までに、約1000ギガワット増加するとわれわれは見込んでいる。これは、現在の火力発電による世界全体の発電容量の約半分に相当する」と述べた。

 IEAが再生可能エネルギーの成長予測を上方修正したのは、中国とインドで新たに太陽光発電容量が増加したことが主な要因となっている。

 IEAは、「中国、インド、米国の3か国は2022年までに、世界全体の再生可能エネルギーの増加量のうち3分の2を占めるだろう」、「太陽光発電の総容量は同時期までに、現在のインドと日本の総発電容量の合計を上回るとみられる」と述べている。

 2016年に再生可能エネルギーが総発電量に占めた割合は24%で、2022年までにこの割合は30%になるとみられている。

 中国は、今後も世界全体の40%に相当する360ギガワット以上の発電容量の増加が見込まれることなどから、再生可能エネルギー発電の容量拡大において先導的立場にある。IEAは「中国における再生可能エネルギーの成長は、主に大気汚染に対する懸念によって推進されている」と述べている。また米国は国レベルでの政策が不透明ながらも、再生可能エネルギーの分野で世界第2位の成長市場となっている。(c)AFP