スペイン政府、カタルーニャ独立危機打開で新選挙を提案か
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【10月19日 AFP】スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州の独立問題で、同州が独立を宣言したのか否かを明確にするようスペイン中央政府が求めた回答期限が迫る中、中央政府は18日、ここ数十年で最悪の政治危機の打開策としてカタルーニャで新たに選挙を行うことを提案した模様だ。
中央政府はカタルーニャのカルレス・プチデモン(Carles Puigdemont)自治州首相に対し、19日午前10時(日本時間同日午後5時)までに独立宣言を行ったかどうかをはっきりさせるよう要求。独立の方針を撤回しなければ、憲法155条を発動して自治権を停止し、カタルーニャを中央政府の直轄統治下に置く手続きを開始すると警告している。
マリアノ・ラホイ(Mariano Rajoy)首相は18日、議会で「私がプチデモン氏に要求したのは、分別を持って行動するようにという一点だけだ」と述べた。
しかし、自治権停止という未知の領域への突入を避ける最後の手段として、新たな地方選挙の実施という選択肢が検討されているようだ。スペイン憲法裁判所が違憲と判断した住民投票ではなく、中央政府が認可する選挙で今後の進展についてカタルーニャの有権者の声を聞こうというのだ。
回答期限が刻々と近づく中、AFPの取材に応じた政府関係筋は、カタルーニャで新たに選挙を実施すれば「正当性を回復」したとみなし得るとの見方を示した。
一方のカタルーニャ自治州政府筋も、新たな選挙は「優先事項の一つではない」としながらも、可能性は排除しなかった。
今月1日に強行された非公認の住民投票では、独立賛成票が90%に上ったが、投票率は43%と低迷し、スペインへの帰属を支持する独立反対派の多くは棄権した。独立をめぐる自治州政府と中央政府の対立を受け、カタルーニャではこれまでに企業800社以上がリスクを最小限に抑えるため本社登記を州外に移転させている。(c)AFP/Katy Lee with Marie Giffard in Barcelona