【10月14日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が「首都」と称していたシリア北部ラッカ(Raqa)から同組織のシリア人戦闘員全員が撤退したと、在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が14日、発表した。外国人戦闘員も撤退しようとしているとみられるが、米軍主導の有志連合は外国人戦闘員が同市を離れることは許さないと述べている。

 シリア人権監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は、「ISのシリア人戦闘員は全員、この5日間でラッカから撤退した」と述べ、その数は200人前後だとしている。戦闘員らは家族と共に同市を離れたが、向かった先については分からないという。

 ラッカの当局者は14日にAFPの取材に応じ、シリア人のIS戦闘員らは、米軍が支援しラッカ奪還作戦を進める「シリア民主軍(SDF)」に未明にかけて降伏したと述べたが、人数については明らかにしていない。SDFはこれまでにラッカの約90%をISから奪還している。

 一方、米軍主導の有志連合はAFPの取材に対して同日、「この24時間以内にラッカでISIS(ISの別称)のテロリスト約100人が降伏し、同市から排除された」と電子メールで回答。その一方で、ISと共に活動していた「外国人戦闘員についてはラッカを出ることは許されないだろう」と述べている。(c)AFP