無実の罪で23年間服役の米男性釈放
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【10月14日 AFP】無実の罪で人生の半分以上に当たる23年間を刑務所で過ごしてきた米カンザス(Kansas)州出身のラモンテ・マッキンタイア(Lamonte McIntyre)さん(41)が13日、再審で無罪となり釈放された。マッキンタイアさんは釈放直後、テレビカメラや支援者の輪の中で母親を抱き締めた。
マッキンタイアさんは17歳だった1994年、白昼に発生した発砲事件の裁判で複数の目撃者の証言により2人を殺害したとして有罪判決を受けた。しかし、この目撃者たちは後に証言を撤回。当時の検察当局も物的証拠やマッキンタイアさんの動機も提示していなかった。
米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)によれば、事件当時は捜査令状も出されず、マッキンタイアさんと被害者らとのつながりも見つからなかった。マッキンタイアさんは取り調べを受けて20分足らずで逮捕された。
マッキンタイアさんの釈放に向けて支援活動を行ってきた「中西部イノセンス・プロジェクト(Midwest Innocence Project)」は、「捜査は軽率でずさんなものだった」と指摘。2つの終身刑に服していたマッキンタイアさんは一貫して無罪を主張してきた。
再審は来週まで行われる予定だったが、担当していた新たな検察官は13日の報道発表で、マッキンタイアさんを犯人だとする目撃証言に疑念を投げ掛け、さらには、(当時の)陪審も有罪の評決を下さなかったであろう新情報があることを明らかにし、検察官は同日のうちに、明白な不正があったとの判断を下すことを裁判所に要請していた。
地元紙カンザスシティー・スター(Kansas City Star)は、マッキンタイアさんの母親が「みんなが息子を見捨てずにいてくれた」と感謝の言葉を述べたと報じている。
NPO団体「インジャスティス・ウォッチ(Injustice Watch)」によれば、マッキンタイアさんの第一声は「外はいい」だったという。(c)AFP