【10月14日 AFP】ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)に建設された欧州連合(EU)の新しい建物で13日、厨房(ちゅうぼう)から有毒な煙霧が発生し、20人が体調不良を訴えた。来週、この建物で予定されている首脳会議については予定通り行われるという。

 この建物は、総工費3億2100万ユーロ(約424億円)をかけて建設された、欧州理事会(European Council)の本部で、内部の構造が近未来的な楕円(だえん)形をしていることから「スペースエッグ(Space Egg)」とも呼ばれている。有毒煙霧の発生を受け、建物内にいた人々は避難し、現場には何台もの救急車が出動。ブリュッセル救急当局の広報担当者によれば、「目の痛みを訴え、嘔吐(おうと)している」人々もいたという。

 欧州理事会の報道官はAFPに対し、20人が体調不良を訴え、9人が病院に搬送され、そのうち5人はすでに退院したことを明らかにした。

 EUの発表によると、救急当局は有毒煙霧が発生した原因について、「厨房の換気システムで2つの工業用の洗浄剤が化学反応を起こしたためだと判断している」という。

 EUは声明で、16日に建物の使用は再開され、来週予定されている欧州理事会の首脳会議に今のところ変更はなく、その他の会合などについても予定通り続行するとしている。(c)AFP