【10月14日 AFP】架空のヒーロー「スーパーマン」のポーズをとるフランシスコ(Francis)法王を描いたグラフィティ(落書き)の図柄を使ったTシャツが販売され、売り上げの一部がバチカン(ローマ法王庁)の慈善活動に充てられることになった。このグラフィティを描いたイタリア人アーティストのモウパル(Maupal)氏が13日、明らかにした。

モウパルさん――本名マウロ・パロッタ(Mauro Pallotta)さん――は2014年、永遠の都ローマ(Rome)の壁に右手の拳を突き上げ、白いカソック(司祭平服)を風になびかせて空を飛ぶ「スーパー法王」のグラフィティを描いた。

 スーパー法王は左手にトレードマークの黒いかばんを持ち、かばんからは青と赤のストライプ柄のスカーフが飛び出している。

 このグラフィティは2014年1月にローマに登場すると、観光客と地元住民の心を捉えた。

 このグラフィティはバチカンのサンピエトロ大聖堂(Saint Peter's Basilica)近くの壁に描かれたが、まもなく市の職員によって消された。

 しかしそのスケッチは残り、Tシャツとして再登場する運びとなった。Tシャツを販売した収益の一部は、バチカンが支援する慈善事業に充てられる。

 当初は誰もがこの図柄を気に入ったわけではなかった。フランシスコ法王の熱心な支持者の中にはスーパー法王という不真面目な図柄にいら立ちを示す人もいた。

 しかしフランシスコ法王本人はモウパルさんの作品にお墨付きを与えたようだ。

 モウパルさんは「スーパー法王の絵をシンプルな木の板に描いて法王本人に渡したんだ。(木の板は)ぜいたくが嫌いな法王の価値観に合うと思ったから。法王は私を見てほほ笑むと、愛情を込めて私の頬をつねったよ」と語った。(c)AFP