【10月14日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部、ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)の過激なサポーター集団「ウルトラス(Ultras)」が、14日に行われるRBライプツィヒ(RB Leipzig)戦を前に、「反レッドブル(Red Bull)」の行進を実施することが明らかになった。地元警察は、前回の対戦時に起きた騒動の回避を目指している。

 2月の対戦でドルトムントのウルトラスはライプツィヒの選手を乗せてスタジアムに向かうバスを妨害し、試合中にはチャントや横断幕で暴力を呼び掛けた。ライプツィヒのサポーターは襲撃を受け、警察官4人を含む10人が負傷している。

 ドルトムント(Dortmund)市内に張り出された抗議を呼び掛けるポスターには、「レッドブル、うせろ―サッカーはわれわれのものだ」と記されており、ウルトラスはホームページでデモ参加を呼び掛けている。

 オーストリアの清涼飲料メーカーであるレッドブルはサッカーを広告の手段として利用していると批判されており、リーグ内の熱狂的なサポーターたちからたびたび怒りをぶつけられている。

 ドイツサッカー連盟(DFB)は、ライプツィヒ戦後にドルトムントのスタジアム観客席の一部を1試合閉鎖する処分を下したが、直後のライプツィヒの試合では、ボルシア・メンヘングラッドバッハ(Borussia Moenchengladbach)のサポーターがドルトムントへの連帯を示す横断幕を広げた。

 今回、当局は厳重警戒を予定している。地元の警察署長は、「暴力的要素や『ファン』と呼ばれるに値しない犯罪者から、われわれはライプツィヒとドルトムントのサポーターを守らなければならない」とコメントしている。

 一方でドルトムントの2つのサポーターグループは共同声明で「サッカーを広告に利用する多国籍企業を絶対に受け入れはしない。スタジアム内でのわれわれのモットーは、昨年と変わらない。熱狂や忠誠心、ファン文化は金で買えるものではないとみせる」と自らの立ち位置を表明している。

 レッドブルの後ろ盾を得たライプツィヒは7年で5部リーグから1部リーグにステップアップし、昨シーズンは2位に入るなど、唯一王者バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)に対抗して一般からの支持を勝ち取った。(c)AFP