【10月14日 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は13日、ホワイトハウス(White House)で対イラン政策について演説し、同国の「狂気の体制」を抑止するためのより強硬な戦略を打ち出すとともに、核合意はいつでも破棄できると警告した。

 広く注目を集めていた今回の演説でトランプ氏は、イランが2015年に欧米などと締結した核合意からの離脱は踏みとどまる一方、合意を支持することへの「認定」を取り下げると言明し、最終的な判断を議会にゆだねた。

 トランプ氏は「われわれはこの認定を実行できず、実行しないことを、私は宣言する」と表明。「予想可能な結末が、さらなる暴力と恐怖、そしてイランの核兵器製造という非常に現実的な脅威である道を進み続けることはしない」と述べた。

 トランプ氏はまた、イランが中東で起きた一連の紛争で行ってきた「侵害」行為への対抗措置を見直した結果を説明。その中で、同国の革命防衛隊(IRGC)と弾道ミサイル開発に対する制裁の強化を指示したと発表した。一方で、一部のタカ派が求めていたIRGCの国際テロ組織認定には至らなかった。

 核合意の支持者らは、この合意は制裁緩和の見返りにイランの核開発を縮小することのみを目指したものだと主張しているが、トランプ氏は、この合意は地域情勢の不安定化をもたらすイランの行動と、同国による不法なミサイル開発への対処に失敗したと断定した。

 その上でトランプ氏は、より広範な合意を維持したまま一連の脅威に対処するための新たな措置を議会で検討することを支持すると表明。一方、「議会や協力国との取り組みで解決に至らなかった場合、合意は破棄される」と述べた。

 イラン核合意の締結に伴い米国で制定された「イラン核合意検討法(INARA)」では、大統領が90日ごとにイランの合意順守状況を認定することや、議会が対イラン制裁の復活を単純多数により議決できることが定められている。(c)AFP