【10月12日 AFP】欧州連合(EU)加盟国の若手音楽家で構成する「EUユース管弦楽団(EUYO)」が11日、英国のEU離脱(ブレグジット、Brexit)を理由に本拠地を英ロンドン(London)からイタリアに移すと発表した。

 EUYOのマーシャル・マーカス(Marshall Marcus)最高責任者は英紙ガーディアン(Guardian)に対し、「40年以上ロンドンを拠点にしてきた」が、オーケストラの「力強く創意に富んだ持続可能な未来」のためには「EU圏内に本部がなければ全く意味がない」と述べた。

 マーカス氏は、EUから資金を得るためにはEU圏内に拠点を置く必要があるため、ロンドンに留まることは不可能だと説明している。

 EUYOは伊文化省の申し出を受け、来年からイタリアのフェラーラ(Ferrara)とローマ(Rome)に拠点を移す。

 1976年創設のEUYOには毎年、17~24歳の若手音楽家120人ほどが所属。これまでダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim)やレナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein)など名指揮者と共演し、高い評価を得ている。卒業生およそ3000人は、指揮者やソリスト、音楽教師、世界各地の有名オーケストラ演奏者として活躍している。

 英国からは今年13人が参加しているが、ブレグジット後は英国人の参加は難しくなりそうだ。もっともEUYOは、EUと英国の離脱交渉の結果を待って最終決定を下す意向を示している。(c)AFP