【10月12日 CNS】中国・北京(Beijing)の故宮博物院(The Palace Museum)が設立から92周年迎えた10日、「故宮博物院入場券売場」はその長い歴史にピリオドを打った。故宮博物院の単ヂ翔(Shan Jixiang)院長は、10日から入場券販売窓口を閉鎖し、毎日8万枚に上る入場券はすべてインターネットで販売すると発表した。

 10日午後12時20分に、故宮の端門(Duan Men)広場にある「故宮博物院入場券売場」の看板は、スタッフたちの手によって外された。30ある窓口は閉まっていたが、現場に入場券を買いに訪れた観光客に対し、スタッフらがQRコードをスキャンするようにとインターネットでの購入方法を説明していた。

 単院長によると、入場券のインターネット販売は、故宮の入場券売場が歴史の舞台から退くことを意味している。ただ実際には、端門広場の窓口は3か月程度保留する。 

 入場券販売を窓口からインターネットに移行させるまで、故宮はこの道のりを6年も歩いてきた。2011年9月に開始したインターネット販売は、14年は年間で2%程度しか利用されなかった。15年6月から毎日8万人の入場制限と切符販売の実名制を試行したが、通年の販売実績は17.33%にとどまった。翌16年は41.14%に伸びた後、17年7月1日にはインターネット販売を全面的に推進し、当日券販売やモバイルコードスキャン方式での切符購入を実施すると、翌8月にはインターネット販売の割合が77%まで上昇した。

 今年の大型連休期間中、故宮は10月2日に当日8万枚の入場券全てインターネット販売にすると発表していた。端門広場の売り場周辺にQRコードのプラカードをたくさん掲げ、スタッフも総出で客に対応した。

 故宮博物院は今後、より精密に管理を強化する。ビッグデータに基づいて分析を行い、来年からは時間帯入場を試行する。客は特定の時間帯を選択することができ、「午前は入場過密、午後は入場過少」といった現象を減らし、客のためにさらに素晴らしい文化体験スペースや見学体験を提供していく。(c)CNS/JCM/AFPBB News