【10月11日 AFP】フランス各地で10日、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が計画している公的部門の賃金凍結や人員削減に抗議するデモが行われ、公務員ら20万人以上が参加した。マクロン氏が進める財政支出の削減やビジネス寄りの政策に反対する声が一段と高まっている。

 公務員540万人が加盟する9つの労組は、マクロン氏が目指すフランスの巨大な公的部門の変革について「深刻な相違」があることを示すためストライキを行うよう呼び掛けていた。

 マクロン氏に改革の見直しを迫るデモは9月から行われ、今回で4回目。他の欧州諸国や投資家らはフランス政府の対応を注視している。

 フランス内務省によると、パリ(Paris)やリヨン(Lyon)、ストラスブール(Strasbourg)、ニース(Nice)などで行われた抗議デモには約20万9000人が参加したという。一方、同国最大の労組連合組織で極左のフランス労働総同盟(CGT)は政府発表の2倍の参加者がいたとみており、過去10年で最大の抗議デモだったと強調している。

 ただ、鉄道や学校での混乱は限定的とみられ、飛行機の欠航も少数にとどまった。

 野党側はマクロン大統領の政策を激しく批判しているが、アナリストらは、現時点で抗議活動は政府に大きな方向転換を迫るような規模までには拡大していないと指摘している。(c)AFP/Clare BYRNE and Gina DOGGETT