【10月11日 CNS】中国・瀋陽鉄路局が鉄道資源を活用した「鉄道観光」が6日始動し、初日は300人余りの観光客が瀋陽鉄道(Shenyang Railway)陳列館と瀋陽鉄路局(Shenyang Railway Bureau)を見学に訪れた。

 同鉄路局の鉄道観光ルートは、瀋陽鉄路局の事務棟をめぐるコースと、瀋陽鉄道陳列館などの二通り設けられている。瀋陽車掌区事務棟や瀋陽東駅(Shenyang East Railway Station)を中心とした歴史的建築の見学ルートには、1934年建設の「南満州鉄道(満鉄)」鉄道総局のビルが含まれる。日本が降伏後、国民党政府がここを共産党軍討伐の総司令部とし、中華民国元首の蒋介石(Chiang Kai-shek)が自ら戦いを指揮した。1949年の中華人民共和国の成立後は、東北軍区と瀋陽鉄路局事務棟として使用された。

 瀋陽車掌区事務棟は1927年、「東北王」の張作霖(Zhang Zuolin)率いる当時の奉天(Fengtian)当局が建設を開始し、1931年に完成、使用開始された。当時は、遼寧総駅(Liaoning Station)と呼ばれた。中華人民共和国の成立後、駅名が瀋陽北駅(Shenyang North Railway Station)と変更され、当時は国内で最も近代的な駅だった。

 瀋陽東駅は1925年、「奉海駅」跡地に建設された。中国人が自ら建設、管理した鉄道である奉海鉄道(奉天古城〜吉林省海竜(Hailong)県)の始発駅として今日まで保存されている。中華人民共和国成立後に、これらの有名な鉄道建築は何度も用途が変わった。文化財であるこれら建築物を観光でも活用するため、2016年から復元工事が行われていた。

 2つ目の観光ルートは、瀋陽鉄道陳列館、瀋陽高速鉄道区、鉄道管理と車両整備を行う蘇家屯(Sujiantun)機務区、蘇家屯車両区で構成される。瀋陽鉄道陳列館では、中国鉄道を走った最も古いアメリカの蒸気機関車や、当時世界で一番速く走るとされた日本の「あじあ号」を見ることができる。中国が開発した時速380キロの高速列車も見られる。

 観光客は鉄道観光を通じて、瀋陽鉄路局や中国独自の知的財産権を持つ高速列車「和諧号(Hexie Hao)」列車の内部構造や車両整備、修理の技術とその工程などを見学できる仕組みだ。

 瀋陽鉄路局は今後も、鉄道旅行の価値ある見学場所を発掘していく方針だ。旅順駅(Lvshun Station)、吉林西駅(Jilin West Railway Station)、大安北(Daan North Station)蒸気機関車基地を順次押し出すなど、多くの特色ある観光ルートを開発し、鉄道観光を瀋陽鉄路局や中国鉄道のイメージアップの重要な窓口にしていくという。(c)CNS/JCM/AFPBB News