【10月10日 AFP】結婚生活が徐々に安定してきた男性は、夫婦関係が破綻している男性よりもコレステロール値や血圧が良好であるとする研究論文が9日、疫学と地域保健の英専門誌「Journal of Epidemiology and Community Health」に発表された。夫婦がカウンセリングを受けることで健康に予想外の効果が生じる可能性があると論文は示唆している。

 研究チームは、英国に住む男性600人以上を対象に、自分の子どもが3歳と9歳になったタイミングで2回にわたって結婚生活の「質」を評価してもらい、「一貫して良い」「一貫して悪い」「向上している」「悪化している」のいずれかを選択してもらった。

 さらに12年後、研究チームは参加者の健康状態を測定。循環器疾患の潜在的なリスク要因となる血圧や安静時の心拍数、体重、コレステロール値、血糖値などの測定結果を分析した。

 その結果、結婚生活が「向上している」と答えた男性は、12年後の調査時にコレステロール値が改善し、適正体重に近付いていた。一方、「悪化している」と答えたグループには「拡張期血圧(最低血圧)の悪化との関連性」がみられた。

「一貫して良い」または「一貫して悪い」と答えた男性には、あまり変化が確認されなかった。これについて研究チームは、その状況に「慣れた」ことが理由ではないかと推測している。

 研究チームは、今回の研究は単に観察に基づいたものであり、結婚生活の向上がより良い健康状態をもたらすとの結論を示しているわけではないとしているが、一方で、この結果を事実だと仮定すれば、「関係が悪化した夫婦のためのカウンセリングは、精神的にも肉体的にも健康な状態をもたらす効果があるかもしれない」と主張している。

 これまでの研究においても、既婚男性は心臓発作や脳卒中といった循環器疾患のリスクが平均して低いことがすでに示されている。(c)AFP