【10月10日 AFP】ミャンマーでの暴力を逃れたイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が難民化している問題で、最大で数万人のロヒンギャが9日、バングラデシュに到着した。地元当局が明らかにした。新たに到着した難民の中には、飢えや疲労、発熱が原因で死亡する子供がいたとの情報もある。

 国際移住機関(IOM)によると、ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州から国境を越えてバングラデシュに入国するロヒンギャ難民の数は、最近になって1日あたり2000人程度まで減少していた。国連(UN)は、過去6週間に発生したロヒンギャ難民数を51万9000人と推計している。

 だが複数の目撃者によると9日、ミャンマーとバングラデシュを隔てるナフ(Naf)川の沿岸にある国境の村アンジュマンパラ(Anjumanpara)に、川幅が狭くなっている部分をボートで渡ってきた難民の新たな波が押し寄せた。

 アンジュマンパラの地元議員は、9日に入国したロヒンギャ難民は数万人に上ると主張。現場のAFP特派員は、日中から夜間にかけて少なくとも1万人の難民が新たに到着するのを目撃した。

 バングラデシュ国境警備隊(BGB)のマンスルル・ハサン・カーン(Manzurul Hasan Khan)少佐はAFPの取材に対し、日中に到着したロヒンギャ難民の推定数は6000人程度で「少なくとも過去2週間で最多だ」と語った。

 同少佐によると、難民の中にいた2歳半と3歳の男の子2人が、バングラデシュに入国する際に飢えと疲労により死亡。また現場のAFP写真記者によると、4歳の男の子が発熱で死亡した。(c)AFP