【10月9日 AFP】米アカデミー賞(Academy Awards)に多くの作品を送り出してきたハリウッド(Hollywood)の大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏が8日、若手女優らに長年セクシュアルハラスメントを繰り返していたとの報道をめぐり、自身が立ち上げた映画会社ワインスタイン・カンパニー(The Weinstein Company)から解雇された。米メディアが報じた。

 報道によると、ワインスタイン・カンパニー取締役会は「この数日間に報じられたハーヴェイ・ワインスタインの職権乱用に関する新情報を考慮し、彼の雇用契約を即時に打ち切ると決定し、本人に伝えた」との声明を発表した。

 ワインスタイン・カンパニーは『英国王のスピーチ(The King's Speech)』や『ジャンゴ 繋がれざる者(Django Unchained)』などを手掛けた映画会社。『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちハリウッド(Good Will Hunting)』や『アーティスト(The Artist)』など、ワインスタイン氏が関わった作品の多くがアカデミー賞を受賞している。

 だが、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は先週、映画業界での活躍を願う若手女優らに対しワインスタイン氏がセクハラを行ってきたとのショッキングな疑惑を報じた。被害を訴えている女性たちによると、ワインスタイン氏は自分をマッサージするよう女性に要求したり、自身の裸を見るよう無理強いしたりしたほか、性的接待と引き換えにキャリアの後押しを約束したという。

 この報道を受け、ワインスタイン氏は、すべての女性を尊敬していること、もう一回チャンスを与えてほしいが、そのためには「すべきことがある」と自覚していることなどをつづった声明を発表していた。

 ワインスタイン氏は英ファッションデザイナー、ジョージナ・チャップマン(Georgina Chapman)さんと結婚しており、2人の子どもがいる。昨年の米大統領選では民主党のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)陣営の資金集めで力を発揮した。(c)AFP