【10月8日 AFP】スペイン各地で7日、北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州が独立宣言に踏み切る構えを示している状況を受けて、国の統合の維持や、政情不安を招きかねない危機の収束を求める数万人規模のデモが行われた。

 デモは「対話しよう」と名乗る団体が主催。白い服を着た参加者らが国内数十か所の市庁舎前に集結し、対話による事態の沈静化を呼び掛けた。首都マドリード(Madrid)で数千人規模のデモに参加した67歳の男性は「われわれの国の状況と、政府の凡庸さを残念に思う」と語った。

 カタルーニャ自治州の州都バルセロナ(Barcelona)では、市庁舎前のサン・ジャウマ広場(Sant Jaume Square)に数千人が集まった。デモ参加者らはカタルーニャ語で「対話しよう」という意味の「parlem」と書かれたプラカードを掲げ、アスタラーダ(カタルーニャ独立旗)ではなく白いハンカチを振った。

 こうしたデモは「スペインはその指導者たちより賢明」とのスローガンの下、ビルバオ(Bilbao)やサラゴサ(Zaragoza)、バジャドリード(Valladolid)などでも行われた。ただ、マドリードでは「対話しよう」主催の集会と並行して、国の統合維持を求める活動家グループが「愛国的な」デモを開催。中央政府の推計で5万人が、コロン広場(Colon Square)に広げられた巨大なスペイン国旗の下に集結した。

 マドリードで老後の生活を送っているカタルーニャ人の男性はデモに参加した理由について、カタルーニャ自治州にある親類たちの墓と自分の家族が、かつてドイツにあった「ベルリンの壁(Berlin Wall)」のようなものによって隔てられることを望んでいないからだと語った。(c)AFP/Roland Lloyd Parry with Diego Urdaneta in Barcelona